2008年11月26日水曜日

【行政法】198.

わかりやすすぎかも!!



【事案】

 訴外福岡通商産業局長(処分庁)は、昭和27年6月20日をもって、豊国セメント会社(参加人)に対し、福岡県小倉市内の平尾台において、石灰石試掘権設定の出願を許可した。ところが、小倉市は、上記の許可が鉱業方35条に違反するとして同法178条に基づいて土地調整委員会(現在、公害等調整委員会)に対して、その取消しの裁定を申請した。申請の理由としては、鉱区内にある水源が現在平尾台上の住民の唯一の飲料用水供給源であるため、参加人が鉱区内の石灰石掘採を行うことになれば、当該掘採が平尾台上の住民の飲料その他の用に供する唯一の水源を破壊し、住民の生活をまったく危殆に陥れるなどの損害が生じること、また当該平尾台が県立公園として指定されているため、当該掘採が県立公園の区域の一部を損壊することはもちろんのこと、カルスト地帯の様相形態を破壊し、学術研究の好資料を永久に失わせることになるなどの損害があげられている。これに対して、土地調整委員会は、小倉市の申請を棄却する裁定を行ったのである。このため、小倉市は東京高裁に同裁定の取消しを求める訴えを提起し、同裁判所が小倉市の請求を認容した。



【被告/土地調整委員会=久保田、高、斉藤】

被告側弁護人として、被告の以下の相談を踏まえた上で、上告理由を明らかにせよ。



被告

「土地調整委員会設置法52条1項によれば、専門技術的な知識経験を有する者で構成される行政委員会が準司法的手続きの下で、裁定等の行政処分を行った場合に、行政委員会の行った事実認定が実質的証拠によって支持されているときに、同事実認定は、終局的・確定的なものとなり、取消訴訟における裁判所を拘束するという実質的証拠法則があるんです。それなのに、原審は私たちが水源の枯渇はないとか、将来の掘採計画や鉱業監督上の制限を考慮して判断した採決の取消しを認めたんです。確かに、52条2項は、前項の規定する実質的な証拠の有無は裁判所が判断する、としていますが…。でもこんなのおかしいですよね?」

4 コメント:

まちゃ さんのコメント...

第1 上告趣旨
原判決の取消を求める。

第2 上告理由
1 原判決には、土地調整委員会設置法52条1項の適用・解釈を誤った違法がある。
2 すなわち、同項の趣旨が、行政委員会が裁定等の行政処分を行った場合に、同委員会の行った事実認定を終局的・確定的なものとし、もって、取消訴訟において裁判所を拘束するものとするところにあるところ、原審は、同項の趣旨に違背して、専門技術的な知識・経験を有する前記土地調整委員会の専門的な事実認定の判断よりも、自らの判断を重視したものである。
3 同法52条2項は、前記した行政委員会の事実認定の判断を、実質的証拠として採用するか否かは裁判所の裁量に任されることを規定した趣旨と解されるが、これをもって、いかなる場合においても、裁判所が自らの判断を前記行政委員会の判断を不採用としてよいと解するべきではない。
4 けだし、同法52条2項の規定を以て、ただ単に、裁判所の自由心証主義を確認するものと解したならば、同法52条1項の存在意義が失われてしまうからである。
5 そして、裁判所は、専門技術的な知識・経験を必要とする事実認定を行うに適さない機関である点を考えると、裁判所が行政委員会が裁定等の処分を行った場合に、同委員会の行った事実認定を採用しないことが許されるのは、委員会の行った事実認定に一見して明らかな不合理な誤りがある場合、委員会の同事実認定の決定過程に、手続上の違法が存する等の事情が認められる場合に限られると解するのが相当である。
6 よって、前記の事情が見られないにも関わらず、行政委員会の事実認定を排斥した原審の決定には取消されるべき違法が存すると言うべきである。

将太朗 さんのコメント...

分からなかったけど?

52条2項が、前項の規定する実質的な証拠の有無は裁判所が判断すると定めているのならば、仕方ないのでは?

miki さんのコメント...

わかりやすいってのは問題点がばれやすいってことね。

>まちゃ
すばらしい!

あとは事実認定になるかと思われます。

>将太朗
確かに、条文上はそのようになっているが、まちゃの言い分がおおむね正しいと私は感じるので、確認してみて!

まあ判例は残念ながらよくわからない…。

doragon さんのコメント...

 「専門技術的な判断」は尊重すべきであると思う。
 しかし、その「判断」が誤ってなされた、恣意的になされたと疑うに足る場合にも、その「判断」が設置法52条2項により裁判所を拘束するものはない。

→だから「恣意的、誤ってなされていない」との主張を行う必要がある。

いまいちわからなかったです。